1925年に創業したデンマークのBang & Olufsenが2025年の100周年に向けて、フラッグシップヘッドホンBeoplay H100をリリースしたのは2024年!ワタクシBang & Olufsenがここ数年好きでして、ワイヤレスイヤホンのBeplay EXやBeplay E8 3rdを使っていたりするのですが、オーバーヘッドタイプのヘッドホンも欲しいなと思い立ったときにちょうど、Beoplay H100がリリースされまして。
すぐに買ってしまえ!と思ったのですがリリース当時(2024年)で230,000円という価格になかなか買ってしまう思い切りがつかず…。迷っているうちに価格が上がってしまうという状況になってしまいまして。これはいよいよ買っておかねばということで、入手してまいりました。

Bang & Olufsen Japanのプレスリリースから引用です。
H100は、Bang & Olufsenが誇るトーンマイスターがチューニングした高品位のサウンドを提供します。サウンドエクスペリエンスを向上させるため、チームは同社のフラッグシップスピーカーBeolab 90で培った専門知識と原則を活用し、新しいヘッドホンを誕生させました。
“ Beoplay H100は、当社がこれまでに開発した中で最高のヘッドホンです。お気に入りの音楽を聴いているときでも、騒がしい環境で電話をしているときでも、アクティブ・ノイズ・キャンセリング(ANC)やオーディオ・トランスペアレンシーで周囲の環境の影響を制御しているときでも、H100は常に卓越したオーディオ・パフォーマンスを発揮します。素晴らしいサウンドを堪能するには、静寂が必要です。静かな環境においては、Beoplay H100が、通常はハイエンドなラウドスピーカーでしか聴くことのできない明瞭なサウンドとダイナミックなパフォーマンスを簡単に実現してくれことを実感していただけるでしょう。”
—Neo Kaplanis, Bang & Olufsen Director of Technology
「当社がこれまでに開発した中で最高のヘッドホン」とのことで、大変期待が高まりますね。各部を見ていきましょう。















外観を見てみたところで、音や使い勝手についてみていきましょう。まずは基本的なスペックです。
| ドライバー | エレクトロダイナミック型 Φ40 mm チタンドライバー |
| 再生周波数帯域 | 10–20,000 Hz、10–40,000 Hz( hi-res mode) |
| 感度 | 103 dB SPL( 1 kHz / -3 dB FS) |
| 再生可能時間 | ANCを使用した場合のリスニング時間: 32時間 空間オーディオとヘッドトラッキングを使用した場合のリスニング時間: 30時間 通話時間:最大22時間 |
| 接続 | Bluetooth 5.3、USB-C port マルチポイント(同時接続) 2台 |
| Bluetoothコーデック | SBC、AAC |
| マイク | 通話音 / MEMS x 4、MEMS x 4、ANC、フィードバックマイク x 2( 左右合計 x 10) |
| サイズ | 収納時: 180 ~ 198 x 196 x 56 ~ 77 mm 展開時: 188 x 210 ~ 220 x 56 ~ 7mm ( 幅 x 高さ x 奥行き / mm) |
| 重量 | 本体: 375g、ケース: 350g |
約26万円のヘッドホンですが、BluetoothのコーデックはSBCとAACのみ。ワイヤレスではハイレゾのデータ量で通信はできないんですね。ワイヤレスヘッドホンとして見た時に一番気になる部分でしょうか。
音質(NW-A300シリーズで試聴)
有線接続:音質はかなり良いです。中音、高音の解像感が特に高く感じ、ボーカルや弦楽器の臨場感がかなり高い。気持ちよく音楽に没頭することができます。低音についてはドコドコと強く聴かせるヘッドホンではないようで、強調することなくしかし十分な低音が、しっかり出てきている印象です。
Bluetooth接続:SBC、AACともに試してみました。この2者間では大きな差はなさそうです。解像感の高さはやはり感じられ、中高音の解像度の高さ、低音の粒立ちの良さは変わらず。外で利用する分にはSBC、AACでもLDACやaptx adaptiveなどのハイレゾ伝送コーデックでなくても十分と思いました。むしろSBC、AACでもかなり良い印象の音で聴けるのが素晴らしい。しかし時折ふとした瞬間に音ののびのびとした感覚が抑え込まれる感覚や、奥行き感の足りなさを感じてしまうところもあるので、良い音でしっかり楽しみたいときは(プラシーボも含めて)有線接続で楽しむのがよさそうです。
音質についてはBang&Olufsenヘッドホンのトップモデルだけあり、Bang&Olufsenらしい音作りなんだろうと思います。解像感や音楽らしい音の弾み方など、求める音の方向性によってはすこし上品すぎるように感じるかもしれません。ワタクシはBang&Olufsenの音の世界観が大好きなのでBeplay H100は楽しくつかそうです。
ノイズキャンセリング
一番強い状態にすると、耳を覆うヘッドホン型ということもありかなりの遮音です。外で歩きながら使うのはためらうぐらいキャンセルされます。飛行機やカフェなどで利用する際にも十分なノイズキャンセリング性能と思います。ノイズキャンセリングを最大にしていると無音時に少し圧迫感を感じます。左ダイヤルを回すことでノイズキャンセル⇔外音取り込みの強弱を調節できるのですが、外音の取り込みもかなり自然です。
接続性
SBCとAACなのでかなり安定します。送信側の性能も十分であれば接続がしょっちゅう途切れるというシーンはないかと思います。リリース当初は2025年中にLDACに対応とありましたが、どうやらLDAC対応は立ち消えたようです。このことでユーザーの不信感を買ってしまっているのが残念ですが、LDACって特に音質重視でも接続重視でも外ではよく途切れるんですよね。電車などでは結局LDACあきらめて別のコーデックで接続することもあるので、Bang&OlufsenとしてはコストをかけてLDACに対応することをやめる判断をしたのかなと思います。室内では有線接続してよい音で聴いて、外では音が途切れにくいコーデックで聴いてくれと。そんなメッセージなのかもしれないなと思いました。
装着感
側圧はまぁまぁ強いです。が、2時間程度つけていてもそこまで側圧の強さは問題ない印象です。ラムスキンのイヤーパッドも触り心地が大変良い。重量375gですが装着中に特に重さも感じません。各部のつくりがしっかりしていてテンションもちゃんとしているので、装着してしまうとヘッドバンドの長さ調節が難しいので、装着前に調整しましょう。
デザインと操作性
デザインステキです。いつまでも使えるヘッドホンとあるように、消耗しそうな部分が交換可能になっていたり、そもそもイヤーパッドなどは本革で加水分解しない素材でできていたりと、デザインをみるとハイエンドヘッドホンの風格が感じられます。
インターフェースも面白くて、右ハウジングのダイヤルが音楽のボリューム。左ハウジングのダイヤルがノイズキャンセリングと外音取り込みの調節。ハウジングのガラス部をタップとスワイプで音楽関連の操作も可能です。
電源のオンオフもスイッチではなく装着でON、外すとOFFでスマート。説明にはポーチに入れておくと完全OFFになり1年以上バッテリーを保持できるって書いてあるのですが、、ほんとなのだろうか。
他機種と比べて総合的にどうなのか?
価格をどう考えるか。なんですよねぇ。もともとBang&Olufsenは高級オーディオブランドなのでそういうものなわけなのですが。Beoplay H100はモノとしての質感も高く、ヘッドホンとしての音質もかなり良いものではあるのです。ノイズキャンセリングの性能も申し分なし。しかしそれを26万円で…。といったときに、もしかしたらもう少し価格が安くて音質で迫ってくるヘッドホンもあるかもしれない。というところが気になっちゃうんですよね。ワタクシはもはやBang&OlufsenファンなのでBang&Olufsenのエンジニアとデザイナーが作ったヘッドホン!っていうだけでワクワクしちゃうわけですが。
Bluetoothのコーデックに関しても惜しいなと思います。接続性のところで書きましたが、そうはいってもハイエンドヘッドホンとしてなんらかハイレゾ伝送のコーデックには対応してほしかったのが本音。それが外で使うと接続が途切れようと、実は音の違いを聞き取れていなかったとしても。オーディオ機器は気持ちで聴くこともありますしね。
今回はBang&OlufsenのBeoplay H100をレビューしました!ワタクシはヘッドホンをなかなか買い換えないので、であればずっと使えるとあるヘッドホンを選択しました。基本的には家でしか使わないので、Beplay H100でハイレゾ音源をしっかり楽しんでいきたいと思います。